布教師会
大本山 増上寺布教師会
「響け念仏の声―愚痴にかえり、願往生心を育てようー」
南無阿弥陀仏
このたび布教師会総会においてご承認を頂き、慶野匡文上人の後任として会長に就任させて頂くことになりました。もとより浅学非才の身であることは重々承知しておりますが、会員諸上人のお支えを頂きながら、微力ながら誠心誠意努力していく所存でございます。
さて、浄土宗開宗850年という記念の年を迎えた元日、能登半島大地震という現実をまたしても直視することとなりました。当会の会員のご自坊も大変な被害に遭われた方がいらっしゃいます。法然上人も元暦年間の大地震を体験されており、無常の世の恐ろしさを嫌というほど目の当たりにされたのであります。このように苦しみが蔓延する中、唯一説ける仏教が、お念仏のみ教えなのです。困惑の中で、この私を支えるための信仰の基軸は、お念仏の他になかろうと思います。
また時代はAIの普及によって、急速に社会のあり方が変わろうとしております。仏教界においても、京都大学を中心に対話型仏教AIが開発されているとのことです。しかし布教とは、単なる仏教知識のデータベースから割り出されるような、そんな単純なものではありません。喩えるに、ピアノの自動演奏がどんなに精密に奏でられたとしても、一人の演奏家が感情を込めて弾く演奏とは、説得力は全く違うのです。
布教の師である松島定宣先生はよく、「念仏は易行道なれど、布教は難行道なり」とおっしゃっていました。お念仏のみ教えが、現代社会においてどれほどありがたいかをお話ししても、そこに創意工夫や、布教師個人の実体験を通した本心がなければ、全く相手に伝わらないことがございます。
本山布教師会では、「入門道場」「錬成道場」という二つの布教研鑽の場を設けております。法然上人のお念仏のみ教えを、間違いなくお伝えするとともに、いかに説得力をもってお伝えするかが問われることであります。会員各位におかれましても、積極的にご参加戴き、共に切磋琢磨していければと存じます。
最後になりますが、今期役員、事務局一同、新体制のもと当会の事業運営に誠心誠意を持って取り組む所存でございます。今後とも会員、関係各位の変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきたく存じます。合掌
増上寺布教師会役員名簿
会長
- 後藤真法(東京)圓通寺
副会長
- 花田俊岳(青森)遍照寺
- 郡嶋泰威(千葉)浄蓮寺
- 専修大志(神奈川)正蔵寺
常務理事
- 佐伯教道(北海道第二)浄道寺
- 佐藤康正(山形)専念寺
- 渡邉昭彦(埼玉)常福寺
- 布村伸哉(東京)專念寺
- 宮田恒順(東京)善光寺
- 小俣慶樹(神奈川)西念寺
理事
- 平塚正樹(北海道第一)霊鷲院
- 工藤大樹(青森)西光寺
- 小熊良和(秋田)誓願寺
- 日野崇雄(山形)浄土院
- 樋口法生(宮城)慈恩寺
- 馬目一浩(福島)阿弥陀寺
- 新井直人(群馬)哀愍寺
- 伴 経徳(栃木)照光寺
- 本橋重道(茨城)道林寺
- 齊藤実朗(埼玉)願生寺
- 宮島道孝(埼玉)大龍寺
- 金子一俊(東京)仮宿院
- 小林惇道(東京)妙定院
- 大高源明(長野)法樹院
- 瀧沢行彦(静岡)海福寺
- 天野信浩(三河)栖了院
- 高田光順(石川)西念寺
- 岩井正道(京都)阿弥陀寺
- 棟久晴雲(愛媛)誓重寺
- 金子孝司(長崎)聖徳寺
監事
- 服部淳一(長野)安養寺
- 酒井宏典(埼玉)法性寺
顧問
- 小林正道(増上寺 執事長)
- 工藤敎昭(青森)佛心院
- 蓮池光洋(群馬)大蓮寺
- 池田常臣(埼玉)圓福寺
- 友田達祐(静岡)法伝寺
- 慶野匡文(神奈川)光雲寺
参与
- 袖山榮輝(増上寺 教務部長)
- 松尾昭男(北海道第一)無量寿寺
- 井澤隆明(山形)稱念寺
- 田中勝道(茨城)宝輪寺
- 石田祐寛(埼玉)圓心寺
- 安孫子虔悦(東京)正覺院
- 千野法人(千葉)最勝院
- 石川邦雄(神奈川)春光院
事務局
事務局長
- 宮田恒順(東京)善光寺
事務局
- 宗川裕真(福島)心光寺
- 伴 経徳(栃木)照光寺
- 船橋了照(茨城)常繁寺
- 後藤史孝(東京)天然寺
- 杉山裕俊(千葉)浄国寺
- 横井隆昌(神奈川)宗泉寺
- 脇川公暢(神奈川)正覚寺
- 山田雅宣(静岡)大善寺