葵の御紋展
2016年3月19日(土)~8月15日(月)
※五百羅漢図は3月19日(土)~6月6日(月)に第61幅~第70幅、6月8日(水)~8月15日(月)に第71幅~第80幅を展示
【開館時間】午前10時~午後4時
【休館日】火曜日 ※火曜日が祝日の場合は開館
※3月19日(土)から4月11日(月)までの期間は休みなしで開館致します(3月22日(火)、29日(火)、4月5日(火)は開館)。
【入館料】一般700円(税込)※徳川将軍家墓所拝観共通券1,000円
徳川家康公によって徳川将軍家の菩提寺として定められ発展してきた増上寺は、家康公没後400年にあたる平成27年(2015)4月、本堂地下1階に宝物展示室を開館しました。この度、開館第3弾企画として、「葵の御紋展」を開催致します。
平安時代、貴族が牛車につけた紋が始まりといわれる家紋。その後武家社会へ浸透し、特に戦国時代には一族のシンボルとして重要な意味を持つようになりました。現在約2万種類以上あるとされる中でも天皇家の菊の御紋と並び、徳川家の葵の御紋は人々に広く知られている家紋といえます。
「この紋所が目に入らぬか!?」― テレビドラマ『水戸黄門』のクライマックスで格さんが水戸黄門の御紋が入った印籠を手に発する決め台詞ですが、その葵の御紋にも数多くの種類があることをご存知でしょうか。徳川将軍家でも歴代で葉柄の形や葉脈の数が違い、御三家(尾張徳川家、紀伊徳川家、水戸徳川家)や御三卿(田安家、一橋家、清水家)でもそれぞれに違いがあります。徳川幕府は三つ葉葵紋を一門だけに許された権威の象徴として扱い、8代将軍吉宗の頃よりいっそうその使用を厳しく取り締まりました。
徳川家の菩提寺として6代にわたる将軍墓所がある増上寺にも葵紋は下賜され、「増上寺葵紋」として現在でも使用されています。本展では増上寺に伝わる葵紋が入ったさまざまな調度品や仏具を展覧し、葵紋が持つその「御威光」と多様性、そして変遷の一部をご覧いただきます。
増上寺境内には、2代将軍、徳川秀忠公の御霊屋(おたまや)である台徳院殿霊廟(たいとくいんでんれいびょう)が造営されていました。国宝にも指定されていたこの建築群は戦災により焼失してしまいましたが、その10分の1スケールで精巧に復元された模型が英国ロイヤル・コレクションとして保管されてきました。明治43年(1910)にロンドンで開催された日英博覧会に東京市(当時)が出品し、閉会後に英国王ジョージ5世へ贈呈されたこの模型が、女王陛下より増上寺に長期貸与され、展示室中央に常設展示されています。明治末期の最高の工芸技術を結集させて造られた巨大建築模型を間近でご覧いただけます。
増上寺展示室は4月2日で開館1周年を迎えます。1周年記念として霊廟模型の周りに玉砂利を敷き詰めました。焼失以前の資料などを元に検討した玉砂利が採用され、さらにバージョンアップした模型展示をお楽しみ下さい。
森美術館の「村上隆の五百羅漢図展」と連動して開催した「狩野一信の五百羅漢図展」も大好評のうち閉幕いたしました。増上寺では引き続き、全100幅のうち10幅ずつを順次展示していきます。今回は第61幅から70幅までの、霊獣などの生き物を手なづけ、神通力を発揮する場面を描いた「禽獣」10幅を展示中です(6月6日まで)。