増上寺宝物展示室
常設展示「台徳院殿霊廟模型」
平成27(2015)年は、徳川家康公の没後400年に当たります。そこで、徳川将軍家の菩提寺とされて発展してきた増上寺では、本堂の地下1階に、増上寺宝物展示室を開設しました。
展示室の中心には、台徳院殿霊廟模型が展示され、まわりのケースでは、年間数本の小企画展示も行っています。展示室前ラウンジでは模型に関するビデオも上映いたしますので、是非、ご来場ください。
よみがえる徳川将軍霊廟
「台徳院殿霊廟」は、二代将軍秀忠公の御霊屋(おたまや)として、1632(寛永9)年に、三代将軍家光公によって境内南側に造営された壮大な建築群です。徳川家の霊廟の中でも最も壮麗とされる、日光東照宮のプロトタイプとなった霊廟で、1930(昭和5)年には国宝にも指定されましたが、戦災によって焼失しています。
宝物展示室に展示されている模型では、本殿・相の間・拝殿・中門・透塀が再現されています。
全体で4×6メートル。日英博覧会の後、ロンドン・キューガーデンにて公開されていましたが、その後解体され、英国王室コレクションの倉庫に保管されてきました。
模型が日本に到着したのは、平成26(2014)年4月です。
到着後、本殿の修復、及び、クリーニングが小西美術工藝社によって行われ、その輝きを取り戻しました。
増上寺宝物展示室では、本殿の屋根を外し、極彩色の内部空間を鑑賞できるようにするなど、展示の際に、様々な工夫も行っています。
英国と霊廟模型
霊廟模型は、東京美術学校(現・東京藝術大学)が行いました。古宇田実教授(建築)、高村光雲教授(彫刻)両名の監修のもと、明治末期の最高の技術をもって、忠実に再現されています。
日英博覧会の後、ロンドン・キューガーデンにて公開され、その後は英国王室コレクションの倉庫に保管されていたこの模型ですが、日本で展示し、広く一般に公開してほしいという英国側の希望と、英国大使を通じた、徳川御宗家、並びに、増上寺への協力依頼によって、増上寺で展示されることとなりました。
展示室を開設し、台徳院殿霊廟模型を一般公開することは、日英の文化交流にとって、友好のしるしとなることでしょう。
また、模型が持つ美術工芸的、資料的、歴史的価値を多くの人に知っていただくことができる、とても良い機会だと考えています。
大殿地下ラウンジ
インドのマハボディ寺院から贈られ、長らく増上寺安国殿に仮奉安されていた釈迦三尊(釈尊、ラーフラ尊者、アーナンダ尊者)の御舎利が、このたび正式に奉安されました。
御舎利は1965年、マハボディ寺院管長パナティッサ大僧正が奉持して来日し、翌年仮奉安された際には椎尾弁匡大僧正(当山第82世)御親修により仏舎利開白大法要が厳修されました。その後安国殿内の御厨子に安置されていましたが、より多くの方がお近くでお参りできるよう、このたび正式に大殿地下ラウンジにお祀りされました。
「増上寺宝物展示室」概要
増上寺宝物展示室
【時 間】平日:11時~15時 土日祝:10時~16時
【休館日】火曜日 ※ただし火曜日が祝日の場合開館
【会 場】大本山 増上寺 大殿本堂地下1階「増上寺宝物展示室」(旧三縁ホール)
【入館料】一般 700円(税込) ※徳川将軍家墓所拝観とのセット券 1,000円
中高生300円(税込)小学生以下無料