お知らせ
木像広目天・多聞天立像 修復完了のご報告
東京都の補助事業として進めていた「木像広目天立像・多聞天立像」(東京都指定文化財)の修復が完了しましたのでご報告致します。
当サイトのお知らせ「木造広目天・多聞天像修復のご報告」として令和2年10月1日にお伝えした通り、昨年7月から都内の工房で修復を開始し、9月と12月の経過確認・修復検討会議、そして本年3月初旬の完了検査を経て、3月末に増上寺に納められました。
二天像及び台座は、首・肩・腕などの接続部分の緩み、彩色の剥落・割れ、汚れや変色、鉄釘の腐食等が進んでいましたが、表面のクリーニング、彩色の剥落止め、後年施された余分な補彩の除去、矧ぎ目の補強・接合、鉄釘の除去・防錆処置等の修復が行われ、往時を思わせる姿に蘇りました。
また、詳細は判明しませんでしたが、X線撮影により、多聞天像の頭部の内部空洞に人骨とみられるものが二片見つかったという発見もありました。
広目天・多聞天像は令和4年の増上寺宝物展示室常設展にて、修復過程を説明するパネルとあわせて展示される予定です。