浄土宗開宗850年奉賛局だより(4月)
2024.04.01
桜花舞う境内で 〜浄土宗開宗850年慶讃会・御忌大会が開かれます〜
いよいよ4月2日から9日まで、浄土宗開宗850年慶讃会・令和6年度御忌大会が勤められます。
例年の御忌では「境内は桜花爛漫」とご挨拶申し上げます。桜の開花が毎年少しずつ早まっているようですが、今年はどのようになるでしょう。
法要の四半刻前、趣のあるお袈裟をまとった僧侶らのお練り行列が大門を出発。まるで江戸の世にタイムスリップしたかのような光景が目の前に広がります。桜吹雪の中、これも江戸時代に建てられた三解脱門をお導師がくぐるや五色の散華が楼上から撒かれます。散華はあたかも甘露の雨が如く、お導師に差し掛けられた朱色の大傘に舞い降ります。増上寺の御忌の風景は『東都歳時記』(天保9年(1838年))という書物にも1月25日の条で取り上げられています。
この御忌にまつわる季語に「弁当始」「衣裳競べ」というものがあります。御忌が旧暦の1月25日に行われていた頃、総本山知恩院の御忌は京都周辺の方々にとっては1年で最初の寺参りでした。それゆえにお弁当を持ち、遊山も兼ねて着飾って御忌詣をしたそうです。御忌に参詣する際に着られた派手な小袖は「御忌小袖」とも表現されました。本年は浄土宗開宗850年の慶びの年でもあります。少し華やかなお姿で参詣なされてもよろしいのではないでしょうか。
ご法主台下は、3日午前中に営まれる三導師法要において新しく誂えられたお袈裟をお召しになります。このお袈裟は明綴れ技法で作られた七條袈裟で、増上寺護持会の皆様からご寄進いただいたものです。ご法主台下はこのお袈裟を被着なされ、荘厳な雰囲気に満たされた大殿に昇られます。浄土宗開宗850年を寿ぐ貴やかなご法要が営まれることでしょう。
暖かな陽の光の下、温かな気持ちで、阿弥陀様を信じ、華やかかつ厳かに修められる慶讃会・御忌大会にぜひお参りいただき、南無阿弥陀仏とお称えください。
奉賛局部長 中村瑞貴