浄土宗開宗850年奉賛局だより(3月)
2024.03.01
いよいよ慶讃会・御忌大会を迎えます〜「承安5年の春」から850年〜
4月の浄土宗開宗850年慶讃会・御忌大会が近づいてきました。全国から選ばれた7名の慶讃導師、御忌唱導師が法要をお勤めになられます。
浄土宗の吉水流詠唱の中に『開宗和讃』『御忌和讃』の2曲があります。それぞれ1番の歌詞を紹介いたします。
二つの和讃は「承安五年の春」の言葉で始まります。南無阿弥陀仏と称えればすべての人が救われると法然上人が万人救済の道を示されたのが、承安5年(1175年)でした。それから850年という時が流れ、世の中の仕組みは変容し、様々な発見や工夫によって物事は進化発展を遂げています。ただ850年を経て世代が交代してきたとはいえ、人の内面はあまり変わっていないように思えるのはなぜでしょう。現代の私たちは、進路や仕事といった自分自身のことで悩み、他者との関係性や経済的なことなどで悩みます。先人たちもその生きた時代において苦悩を抱えたはずです。いつの時代も苦悩する人間がいます。そしてそれらの人々が希求したのが、先の和讃の中にある「救い」でした。
増上寺は浄土宗開宗850年慶讃法要や様々な記念事業を通して、浄土宗や増上寺で受け継がれてきた「救いの教え」を、未来に伝えてまいります。同時に現代の皆様と心を共にして歩むとともに、増上寺の存在が皆様の救いの一灯となるよう進んでまいりたいと存じます。
ぜひ、4月2日から始まる浄土宗開宗850年慶讃会 令和6年度御忌大会にお参り下さい。
※能登半島地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に被災なされた皆様にお見舞い申し上げます。早期の復興をお祈りいたします。
奉賛局部長 中村瑞貴