お知らせ

浄土宗開宗850年奉賛局だより(7月)

2023.07.01

七夕に思いを寄せて

 今年も暑い夏がやってまいりました。7月の風物詩といえば、七夕。この時期、増上寺にも笹に様々な色の短冊を吊るした七夕飾りが現れます。NHK「ドキュメント72時間」で取り上げられましたので、番組をご覧になられた方もいらっしゃると思います。

 短冊に様々な思いを書いて竹に結ぶ。願い事もあれば、感謝を伝えるものもあります。自分自身の事もあれば、世の中全体のことについて書かれる方もいます。

 私の故郷では、月遅れで七夕の行事を行います。その時は町全体が七夕一色に染まります。祭りの中心となる通りはもちろんのこと、各町内・商店街でもきらびやかな飾りが見られます。私が小さかった頃は、各家庭でも七夕飾りをしたものでした。

 増上寺の三解脱門をくぐり、貪(むさぼり)、瞋(いかり)、痴(おろかさ)を鎮めたならば、思いを込めて短冊に向かいペンを走らせましょう。清らかな心で願えば、たとえ自分自身に関する何か欲求めいたものであっても、ゆくゆくは世のため人のためになっていくことだと思えるからです。

 増上寺のご本尊である阿弥陀様は「浄土に生まれたいと思って、南無阿弥陀仏と我が名を呼ぶものは必ず極楽往生が叶う」との誓願を立てられ、その誓願が成就している仏様です。願いを成就なされた仏様の前で私たちの願いが成就するように祈るわけです。7月7日夕刻には「七夕祈願会」が営まれます。ぜひお出かけください。

 現在、耐震補強工事のため大殿は閉堂となっております。増上寺も皆さんに安全にお参りしていただくことを願って工事を進めております。ご不便をおかけしていますが、この耐震工事は増上寺のためであると同時に、参拝なされる皆さんのため、ひいては災害時に増上寺がその役割を果たすためでもあります。増上寺という一つのお寺の願いが、世のため人のために広がることを喜ばしく思いながら、開宗850年の事業を進めてまいります。今後も温かい眼でお見守り下さい。

奉賛局部長 中村瑞貴