浄土宗開宗850年奉賛局だより(12月)
2022.12.01
「いまの時代」の三解脱門特別公開 〜ライトアップとSNSにおけるシェア〜
11年ぶりの三解脱門特別公開は、本稿執筆時点で連日多くのお客様にお越しいただいています。江戸の時代から人々を魅了してきた三門が建立400年を迎えた現在もなお私たちを惹きつけていることに、三門の存在価値を改めて実感させられます。
かつてから三門が一般に公開されることはありましたが、今回の特別公開では「いまの時代」だからこそ行われている取り組みもあります。
一つは夜間のライトアップと、史上初となる夜間公開です。公開期間中、夜間の三門は写真のように明るく照らされています。このようなライトアップが可能となったのはLEDライトの普及によるものです。電気のない時代にこれほど明るく照らすことができなかったのはもちろん、電気が生まれてからも熱の生じる電球は文化財に設置することができず、三門が公道に面していることと相まってライトアップには制限がありました。これに対し、LEDは熱を持たないために三門の間近に設置することができ、十分な光量があります。東京の中心で幻想的に浮かび上がる朱色の三門を眺めることができるのはまさに「いまの時代」だからこそといえるでしょう。
もう一つに、インターネット、とくにSNSでのシェア(情報共有)があります。今回は少しでも多くの方に三門への親しみをもってもらい、また三門に登れなくとも仏様を拝観できるように写真撮影とインターネット上のシェアを自由としています。そのため、例えば写真投稿サイトのInstagramでは三門に関する多くの写真がシェアされています。
「#三解脱門」と検索し、個性豊かな写真たちをぜひ覗いてみて下さい。
シェアされた写真は拝観のきっかけとなることもあります。写真を見て「自分も三門に登ってみたい」と多くの方がお越しになるのです。特に印象的な写真の撮れる夜間公開はSNSが多くの拝観者を呼び寄せました。
インターネットやSNSといった技術の進歩によって、幅広く多くの方がお参りになるのは「いまの時代」ならではといえるでしょう。
(令和4年10月24日執筆)