浄土宗開宗850年奉賛局だより(10月)
2022.10.01
五感で味わう三解脱門
〜いよいよ今月から特別公開が始まります〜
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三門や仏像の様子は写真でも見ることができますが、実際に足を運び、触れてこそ味わえるものもあります。
私が毎日三門を通って感じるのは「香り」です。マスク越しにフッと漂う優しく、香ばしいようで、ほのかに甘い香り。ここが増上寺なんだと思い起こさせる香りがそこにはあります。
これは、一体何なのでしょう。木の香り、漆の香り、積年つもった埃の香り、東京の街の香り。その香りの正体が気になり、近所の建物を嗅いで回りました。
徳川霊廟建築の惣門や二天門は三門と同じ朱漆塗の木造建築。確かに鼻を近付けてみると同じような香りがします。しかし、三門をくぐる時に感じる、私たちを包み込むようなあの香りは他の建物にはありません。あれだけ大きな三門だからこそ発せられる香りなのでしょうか。
「三門の香り」としか言い表せない独特の味わいがあります。
大きな柱の木の温もり、楼上を通り抜ける涼しい風、一段一段気の抜けない急な階段など、香りのほかにも写真では伝わらない三門の魅力はたくさんあります。
さて、あなたの五感は何を捉えることでしょう。