浄土宗開宗850年奉賛局だより(6月)
2022.06.01
三解脱門楼上の仏様たち
まずは、増上寺浄土宗開宗850年慶讃事業に対し浄財をご志納いただきましたご寺院様、檀信徒様に当ページをお借り致しまして厚く御礼申し上げます。
さて、慶讃事業として解体大修理を予定している三解脱門(三門)。この門の楼上にはお仏像が祀られていることを皆様はご存知でしょうか。
普段公開されていないところですのでご存知のない方もいらっしゃるでしょうが、三門には釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩の釈迦三尊像、16体の羅漢像、31体の増上寺歴代上人像が安置されています。このうち、釈迦三尊像と十六羅漢像は東京都より有形文化財の指定を受けています。
釈迦三尊像及び十六羅漢像が制作された時期は必ずしも明らかになっていませんが、現在の三門が建立された1622年頃には存在していたと考えられています。したがって造立から約400年もの歴史をもつお像といえます。しかも十六羅漢像はこれまでに際立った修復のなされた記録がないことから、私たちは400年前から変わらぬお姿に手を合わせることができているのかもしれません。
令和3年度には三解脱門の調査工事に合わせ、仏像の調査が行われました。専門的な調査は文化財の修理を手がける公益財団法人美術院によってなされましたが、私どもが改めて観察しても一体一体の表情の豊かさや衣など装飾品の精彩さが見て取れ、その貴重さを味わうことができました。
各お像は三門の解体大修理に伴って保護する処置を施し、三門から運び出すこととなりますが、いずれ三門の改修が終わった折にはこれまでと同様に三門にお祀りする予定です。
貴重な仏様が安心して末永く三門でお過ごしになられるよう三門改修へのお力添えをよろしくお願い申し上げます。