浄土宗開宗850年奉賛局だより(4月)
2020.04.01
チタンは人と出会い、旅をする
本年2月14日、大殿屋根に葺かれるチタン瓦の製造過程を見学するために新潟県上越市を訪れました。日本製鉄直江津製造所はチタンと特殊ステンレスの製造に注力する、歴史ある工場です。見上げるような大きな機械を用いてチタンを溶解する豪快さや、金属の塊を厚さ0.3ミリにまで延ばす繊細さは、日本鉄鋼業界の圧倒的な迫力と洗練された技術力とを誇示していました。
さて、チタンは旅をします。
原料であるチタン鉱石はオーストラリアや南アフリカで採掘され、海を渡って神奈川県茅ケ崎市にて金属分を抽出されます。太平洋に面して精錬されたチタンは、陸路をたどり日本海に面する直江津に運ばれて溶解されます。溶解された塊は、福岡県北九州市八幡、山口県光市へと移り、厚さ0.3ミリにまで引き延ばされ、再度直江津に戻り一度検査が行われます。さらに茨城県稲敷市にて加工され、山梨県北杜市で瓦へと姿を整えます。
こうしてやっとチタンは瓦となり、増上寺にたどり着くのです。
製造所を視察して印象的であったのは、重機を扱う製造現場の最前線に20代前半の女性が活躍していたことです。かつては大きな体をした男性の職場であった製造所には、今や老若男女を問わず多くの方が品質の良いチタンを求めて邁進しています。
長い旅路を歩むチタンは、こうした日本中のご縁ある方々に大切に扱われて増上寺へとたどり着き、私たちの大殿をまもっていきます。
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