信じること
先日、中学校の同期生男女8人で食事をすることがありました。思い出話で盛り上がりました。その思い出話が一通り済むと、今度は不健康自慢が始まりました。いわゆる成人病で「どんな薬を飲んでる」という話です。皆、50代なのでどこかしらに病気を持っておりました。私も、数年前より「高血圧」「糖尿病」の薬を飲み治療をしています。合併症等が恐いので、主治医にアドバイスや投薬をしてもらい、そのお陰で状態は安定しています。主治医を信じて実践し、薬を飲み続けることで安定した状態でいられるのです。
このことは、私たちのお念仏の信仰と重なります。私たちは、阿弥陀様の「我が名を称えよ、されば必ず極楽浄土にすくい取るぞ」という本願を信じお念仏をお称えする日暮らしを送っています。私たちは、この世での命が尽きた時に間違いなく阿弥陀様の極楽浄土に往生することが出来ると堅く信じるからこそ、お念仏をお称えするのです。法然上人は「阿弥陀様のお名前を称えることによって、往生することが出来るということを信じないとするならば、阿弥陀様の本願は無意味で霊験も無くなる。仰いで信じるのだ。念仏往生の教えという良薬を手に入れながら服用しないで死ぬことがないようにしなければならない」と仰せになりました。阿弥陀様は、煩悩に染まっている愚かな私たちをお救いになるお念仏という良薬を処方して下さったのです。自分で納得して服用するのではなく、急がないと手遅れになるから服用するのです。それには、ただ信じ仰ぐことが肝要です。阿弥陀様は、「お念仏」という素晴らしい良薬をお示し下さいました。また、私たちに「我が名を称えよ!」と呼びかけておられます。ただ称えずに死んではならないのです。ただただ信じ仰ぎ、お念仏をお称えするのです。
本山布教師 平塚正樹
北海道第一教区 霊鷲院