極楽浄土の様子
先日インターネットで「楽しみな予定があると仕事の効率が上がる」という記事を見かけました。医学的には賛否があるかもしれませんが、実感として「そういうことは確かにあるな」と私は感じました。
ただ残念なことに、この世は「一切皆苦」思う通りにならないこと(苦しみ)に必ず出会う場所です。楽しみに思っていたことでも、その時が来てみると、思う通りに行かないことが多くあり、がっかりする結果になってしまうことも多くあります。
一方で、私たち念仏者が来世、阿弥陀仏にお導きいただく場所、西方極楽浄土は、どんな人にとっても「一切の苦しみがなく、ただ楽のみある場所」だとお経の中に説き示されています。
例えば、極楽浄土の住人は、「性別、背の高さ、顔立ち、肌の色など、姿形に違いがなく、皆が平等に健康で強靭な身体を得ることができ、仏様の教えを一度聞けば理解できるほど、平等に頭脳明晰なので、その優劣に苦しむことがない」。また「衣食住をはじめ必要な物は、願えばすぐに目の前に現れるので、これに執着し苦しむこともない」とお経の中に説かれています。
私たちは、この世でこれらの優劣について常に思い悩み、人を妬み、怒り、愚かな行動をしてしまいますが、そもそもその優劣がないので苦しむことがない。住人は互いに敬い合っていて、「目、耳、鼻、舌、身、心」で感じるもの、言葉で言い表すことができないほど美しく心地良い。その場所にいるだけで心が清められ自然と覚りへ段階が進む、尊い場所なのだと説かれています。
「一切の苦しみがなく、ただ楽のみある場所」 このように阿弥陀仏様は極楽浄土をお創り下さいました。これほど、尊い場所にお迎えいただくためにお称えするのが「なむあみだぶつ」お念仏なのです。その善い姿は、ご先祖様への何よりの供養にもなります。
極楽浄土の尊さに想いを馳せながら、共々に毎日のお念仏、お称えしてまいりましょう。
合掌
本山布教師 佐伯典昭
北海道第二教区 浄道寺