人生の三大課題

 「私たちは何のために生きているのか、どこから来て、どこへ行くのか」という、古来から人生の三大課題と言われてきました。

 これを求めることが宗教であります。宗教とは、心が弱いものがすがるものではなく、私たちの人生と関係がないものでなく、人生そのものが宗教であります。宗の教えとは、大切なものと考えて下さい。人間は何のために生きるのかという問いがお釈迦の出発点でした。私たちはお釈迦様が示して下さった阿弥陀様を信仰する宗派です。阿弥陀様が登場される経典の中に説かれているお話では、阿弥陀様はかつて法蔵菩薩であった時、どうすれば多くの人を救うことが出来るかと必死に考えられ、四十八の願いを起こされました。この願いを成就されて阿弥陀仏という仏様に成られたのです。

 阿弥陀様は私たちをいつも護り、導いて下さっています。四十八願の中に「念仏を称えるものがいれば必ず極楽浄土に迎え入れる、それが出来なければ私は仏に成りません」という第十八願があります。古来より法然上人を含め先人が重要視されていました。法然上人の言葉に「念仏の中に全ての修行がこもっている」とあるように、阿弥陀様が全ての修行を完成させ用意して下さいました。阿弥陀様が計り知れない行をされ、願いを成就されたお陰で「南無阿弥陀仏」だけで私たちは極楽往生出来ます。阿弥陀様を信じ、阿弥陀様と共に念仏を申していく人生を送りましょう。私たちの人生の三大課題の答えとしては、念仏を申すために生きて、迷い多く救われない世界から来て極楽浄土に往生させていただくという答えになります。

本山布教師 北條秀雄
滋賀教区 円常寺