狩野一信の生誕200年を記念して、「五百羅漢図展」を開催します。是非、ご来場下さい。
前期:2015年10月7日(水)~12月27日(日)| 第21幅~第40幅展示
後期:2016年1月1日(金)~3月13日(日)| 第41幅~第60幅展示
【開館時間】午前10時~午後4時
【休館日】火曜日 *ただし、火曜日が祝日の場合は開館
【入館料】一般700円(税込)*徳川将軍家墓所拝観共通券1,000円
【主 催】大本山 増上寺
【協 賛】岡三証券グループ
【協 力】リリカラ、関西ペイント
【企画協力】森美術館、浅野研究所
徳川家康公によって徳川将軍家の菩提寺として定められ発展してきた増上寺は、家康公没後400年にあたる平成27(2015)年4月、本堂地下1階に宝物展示室を開館しました。この度、開館第2弾企画として、幕末の絵師・狩野一信(1816~63)による増上寺所蔵の仏画「狩野一信の五百羅漢図展」を開催いたします。
羅漢は釈迦の弟子として悟りを開き、人々を救済する存在として長く信仰されてきました。一信は様々な過去の作例を踏襲しながら、2幅に10人ずつ、計500人もの羅漢を描く空前絶後の100幅を構想。その信仰心と自らの画業の集大成として恐るべき技量を駆使し、一心に制作を続けましたが、完成まであとわずかというところで没してしまいました。残り4幅は妻・妙安、弟子・一純らが補作して完成させ、文久3(1863)年増上寺に奉納されました。
増上寺に長らく秘蔵されてきた五百羅漢図は、東日本大震災直後に江戸東京博物館で全100幅が初公開され、翌年2012年にはアメリカ・スミソニアン博物館でも公開されるなど、日米で大きな話題となりました。
平成28(2016)年は一信生誕200年という記念すべき年にあたります。会期中には展示替えを行い、各20幅ずつの名場面を公開いたします。
また、「増上寺宝物展示室」開館にあたり、一信の子孫である逸見家に伝わり、大切に保存されてきた貴重な資料群が増上寺へ寄贈されました。本展ではその中から日記や画稿のほか、木造の一信肖像彫刻なども展示します。
第22幅 六道 地獄 [前期]
大蛇や猛獣の口から吐き出される地獄の炎を、楓の団扇を持った羅漢が巻き起こす風で消し飛ばそうとしている。別の羅漢が持つ仏像からは光線が放たれ、地獄に堕ちた人々が救いを求める。
第50幅 十二頭陀 露地常坐 [後期]
満月の夜、マングローブのように根を伸ばした樹木の下、瞑想する羅漢たち。画面を覆う柔らかな月光は、絹地の裏からも金を塗った裏彩色の効果によって表現されている。
英国女王陛下より増上寺へ長期貸与の霊廟模型も常設展示
増上寺境内には、2代将軍、徳川秀忠公の御霊屋である台徳院殿霊廟が造営されていました。国宝にも指定されていたこの建築群は戦災により焼失してしまいましたが、その10分の1スケールで精巧に復元された模型が英国ロイヤル・コレクションとして保管されてきました。明治43年(1910)にロンドンで開催された日英博覧会に東京市(当時)が出品し、閉会後に英国王ジョージ5世へ贈呈されたこの模型が、女王陛下より増上寺に長期貸与され、展示室中央に常設展示されています。明治末期の最高の工芸技術を結集させて造られた巨大建築模型を間近でご鑑賞いただけます。
村上隆の五百羅漢図展
本展会期中、森美術館では「村上隆の五百羅漢図展」が開催されます。現在、世界で最も評価が高い現代美術家のひとりである村上隆氏が、増上寺所蔵の狩野一信による《五百羅漢図》から着想を得て制作した、全長100メートルに及ぶ超大作絵画《五百羅漢図》が日本で初公開となります。
2015年10月31日(土)~2016年3月6日(日)
森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)